サラリーマン診断士の雑記

ゆるめに書いていきます。

アシックスの株価を分析してみた

私はオニツカタイガーのスニーカーを愛用しています。オニツカタイガーは株式会社アシックスのアパレルブランドですね。

 

ということもあって生まれて初めて購入した株式はアシックスでした。特に株価を分析したり、市場を予測したりすることなく、好きだから、という理由でとりあえず数年前に買ってみました。株式投資を考えているけど何となく一歩踏み出せない、という人は好きなもの好きなブランドの株を手始めに買ってみる、というのはありかもしれません。

(もちろん損しないためにはちゃんと勉強したほうが良いですけどね)

 

ということで数年前に生まれて初めて購入した(株)アシックスの株ですが、購入後初めてまともに(爆)企業分析をしてみました。

 

 

 

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1. アシックスの企業概要

 

アシックスはシューズを中心としたスポーツメーカーです。加えてオニツカタイガー、アシックスタイガーという名のブランドでスニーカーやアパレルも展開しています。

特徴的なシューズのストライプはみなさんも見覚えあるかと思います。

ちなみにアシックスという企業名の由来は古代ローマ語での「健全なる精神は健全なる身体に宿る」という言葉にあるそうです。カッコいいですね。

 

リオ五輪に引き続き、東京オリンピックのオフィシャルスポンサー(スポーツメーカーとしては唯一)であり、代表選手のウェアも提供します。このスポンサー契約は推定150億円とも言われています。後述しますが2020年度の利益目標が150億円です。これが事実だとすると利益1年分を全額スポンサー投入しているというありえないような話になります。

また、エンゼルスの大谷選手はグローブからスパイクまでアシックス製を愛用しています。またイチローはグローブはミズノですが、スパイクはアシックスを使っています。ここにもシューズメーカーとしての品質の良さがうかがえますね。

 

カテゴリー別の売上は以下の通りです。やはりイメージ通りランニングシューズが売り上げの過半を占めていますね。

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また、海外売上比率が高いのが特徴的です。同じく日本の老舗スポーツブランドのミズノが国内比率70%なのに対し、アシックスは逆に売上の7割を海外で稼いでいます。

街中でも海外の方、特に中国人旅行客がオニツカタイガーを履いてたり大量の紙袋を持っているのをよく見かけますので、海外での認知度はかなり高いようです。

 

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2. アシックスの株価

株価は以下の推移です。2015年に3,800円の高値をつけましたが最近はその半値以下まで落ち込んでいますね。

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業績は以下の通り下降気味なので、これに合わせて株価も下がっています。

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(出典:アシックスHP)

 

3. 事業戦略

 苦戦している北米市場での若年層のランナー取り込みによる損益てこ入れと中国市場でのさらなく拡大が肝です。

特に中国は2012年の売上14億円が昨年289億円とすさまじい伸びです。どこまで伸ばせるかが勝負になるでしょうか。

 

 

4. 理論株価

アシックスが掲げる中期経営計画に沿った理論株価を出してみたいと思います。

【前提】

・2020年度の目標値である売上500億円、ROE10%を達成。

・現在の株主資本(ROEの分母であるE部分)は約2,000億円。2020年も同水準。

・PBRは1.56倍(Yahooファイナンスより)。これを維持する。

(厳密には2020年までに3年間あるので、この間にあげた利益は株主資本に上乗せされますが、今年度の業績が芳しくなさそうであること。株主還元50%を掲げていることから、利益の半分は株主還元に用いられることから、耐性に影響なしとしてここでは株主資本が一定と仮定します。)

 

以上より2020年の最終損益は2,000億円x10%=200億円となります。

 

ここからPBR= ROE x PERの公式を用いると、1.56倍=10% x PERより、PER=15.6倍となります。

PER= 時価総額 / 利益 なので、15.6倍 =  時価総額/ 200億円

よって時価総額=3,120億円。発行済み株式が約2億なので、3,120億÷2億=1,560円が2020年の理論株価になります。

 

ちなみに足元の株価は1,680円。

 

 

つまり2020年の株価は今より低くなる、ということになります。

じゃあなんで今の株価はこれより高いの?というと市場は上の計算式より何かが高まると期待しているわけですね。

 

今年度の利益予想は発表されていませんが、昨年より悪くなりそうな雰囲気です。中期経営計画で掲げた2020年の目標も今年度に下方修正したばかりですが、暗雲立ち込めているのではないかというのが私の見立てであり、2020年の売上500億円も怪しいのではないかとみています。今年の売り上げは400億円に届かない見込みですから、あと3年で毎年8%ずつ高めていく必要がありますし、昨今の業績不振からいくと決して簡単な数字ではありません。

 

 

などなど考えると今の株価は実態より高いということになります。私の見方が市場よりネガティブ、ということになります。

 

市場は東京オリンピックに向けて国民の盛り上がりなんかを考慮しているのかもしれませんね。

 

 

 

 以上アシックスの株価を分析してみました。

私は個人的に好きなブランドということもあり単元株だけ保有しております。今後も保有し続ける予定ですが、足元の業績と今後のリセッション入りの可能性の高さを考えるとしばらくは業績と株価も低迷が続く気がしています。