サラリーマン診断士の雑記

ゆるめに書いていきます。

我が闘争

我が闘争ホリエモン)を読了しました。

 

ホリエモンのこと誤解してました。成り上がりの拝金主義のいけ好かない人だと思っていましたが全然違う。

スポーツは苦手、男子校出身で大学では女の子とろくに話せない。競馬とマージャンにはまって寮に入り浸りお金がないというどうしようもない大学生。でも当時はまだ珍しかったパソコンのスキルがあったので、それを活かせるバイトを始めたところがきっかけで伸びていくIT業界に従事することになり、そこから起業して一気に会社を大きくしたそうです。

 プログラマーから起業家に変わったあたりから世間のイメージのホリエモンらしさが出てきた印象ですが、それでもまっすぐな性格はそのままにしても報道のイメージよりも人間らしい部分を感じられました。

 

まさに波乱万丈。ここまではたから見てて面白い経験している人ってなかなかいないでしょうね。

 

タイトルもいいですね。獄中で記した「我が闘争」。

 

さしたる意図もなく積み重ねてきた人生の断片に、一つの共通点があると気が付いた。それは僕がいつも闘っていたということだ。僕は目の前のままならないこと、納得できないこと、許せないことと闘い続けてきたのだ。

 

かのスティージョブズも点と点は振り返ったときに気づいたら線になっている、と言っていましたが、ホリエモンも同じことを言っているように感じます。「闘う」という名の点ですね。

 

 

僕のこれまでの人生の「闘い」は、そうした血液診断に似た、さしたる根拠のない思い込み、慣習、常識、ルールへの抵抗だった。

 

サラリーマンである私はこうはいかない。上司のつまらない血液診断のお話にもある程度は付き合う必要があります。(そんなシチュエーションこれまでなかったけど。)

 

ただ納得いかないことに向き合うのって大事ですよね。仕事の内容でも納得感がないところに付加価値を生み出すヒントがある気がします。割り切ってお金のために黙々と上司に従って働くのもそれはそれでよいですけど、やっぱり少しでも自分なりに考えて改善・向上したいなと思うわけです。それってホリエモンのそれと規模は全く違いますが「闘い」なんだと思います。

上司の意見とは異なるけど自分なりに良いと思うことを提言することも、上司がダラダラ話しがちな会議のアジェンダを絞って時間通りに終わらせるようファシリテートすることも、そして飲み会の誘いを断ることも、いずれも「闘い」なのかなと思います。

 

 

今日も上司に飲みに誘われましたが、断って定時退社しました。これも闘いです。むしろ飲み会からの「我が逃走」か。

会社にいる以上は良好な関係を保つために穏やかに「闘い」たいですね。

 

 

 

一勝九敗

服にこだわりがあまりない身としてユニクロのトレンドのなさ感(失礼)、よく言えばニュートラルな感じは非常に使い勝手が良いので重宝しております。

そんなユニクロを作り上げた柳井さんの自叙伝を読みました。

 

タイトルには成功よりも失敗が大事、失敗から何を学ぶか。の柳井さんの哲学を感じました。ちなみに私の私服はユニクロ9割です。割合でいうと一シップス九ユニクロです。

 

フリースを手がける

ユニクロといえば最近はヒートテックのイメージが強いのでしょうか。私が中学高校の頃はユニクロ=フリースの方程式が出来上がっていました。フリースを普段着に普及させたのはユニクロのようですね。それまでは登山家が山用防寒具として着るぐらいの位置づけだったそうです。

「フリースの歴史はユニクロ以前と以後で分かれる」

とか言いたくなっちゃう。

2000年の秋冬だけで2600万枚売り上げたとか。5人に1人。これだけで売上500億円とか脅威すぎます。

 

ユニクロのフリースが流行ったそのころ私は小学校高学年。当時私の実家のある町にはユニクロがなかったので、車で1時間かけて家族でユニクロ行った記憶がありますね。そして私が実家を離れたその年、ユニクロはようやく実家の町に来ました。遅いよ柳井さん。

 

 

一番いい会社というのは、社長の言っていることがそのとおりに行われない会社ではないか。

これ、すごい分かります。今経営に近い場所で仕事をしておりますが社長は色んな事言います。私の上司のポジションになると社長から直接の指示を受けたりしますが、社長に言われたことを言われたとおりに杓子定規にやろうとして失敗する上司と、自分なりに咀嚼し現場への影響度やはまり具合などを勘案したうえで自分なりの"調整"を加えて社内に施策として打ち出す上司と2タイプ見てきました。断然後者のほうが会社にはプラスになることが多いですね。

トップダウンでなんでもできる規模の会社ならともかく、ある程度の規模になった会社の社長、とくにサラリーマンから成りあがった社長ならなおさら、経営者としての経験もせいぜい数年。社長の言うことが全て完ぺきであるわけはないんです。社長の言葉を実務レベルに落とす、またその過程で場合によっては社長の考えを変えるなどしてでも付加価値をつけるのが一流の下っ端の役割なんでしょう。

 

と私のような下っ端が言ったところで誰にも響きませんが、柳井さんが言うと深さを感じざるは得ません。

 

毎日でも変えたい組織図

この表現も衝撃的でしたね。企業勤めしていると年度のたびに組織あれこれ変わって名刺変わってめんどくさ、というのが組織改編のイメージでしたから。柳井さんのこの発言の意図は、今の課題に対応するために組織は変更されたものだから、刻一刻と変わる経営環境において組織は常に古くなるということだそうです。

なるほど。確かに今の伝統的企業の組織って硬直的ですよね。課題に応じて柔軟にプロジェクトチームが出来上がって、課題が終わったら解散し、また別の課題に応じてプロジェクトチームが立ち上がる。こんな流動的な組織が理想ですが、企業規模やビジネスモデルなんかで相当の制約がありそうです。大きくなればなるほど組織図変えても混乱が大きいし。ここの差配は難しい。

 

 

 

ところでユニクロにこれまでの人生でいくら費やしたんだろう。なんだかんだ1年に1万円ぐらい使ってる気がする。日本の成人男子3,000万人のうち5人に1人ぐらい僕みたいなユニクロを愛するファッション草食系男子だったとしたら600万人×1万円で600億円か。恐るべしユニクロ

これからも良質かつリーズナブルな服で私の体と懐を暖かく包んでください。

 

 

 

 

階段最強説

 

・通勤中に気軽にできる

・着替え不要

・血行が良くなって健康によい

・暖かくなる

・時間も節約できる

 

 

みなさんはこんな最強な行動をご存知でしょうか?

 

 

 

答えは、階段を上るです。

 

 

 

安易にエスカレーターに乗っている皆様。一度階段を使ってみましょう。全てが上手く回り出します。

 

 

意識高く毎日ジムに通っている方なんかもいらっしゃいますが、どうせ続かず挫折した方も多いでしょう。私も週2回はランニングしたいのですがなかなか続きません。私含めそういう人はまず日常に運動を取り込むことかは始めましょう。

それが通勤の階段です。オフィスでの移動に階段使うのもよいですよね。

 

 

エスカレーターの時間を有効活用しようと本とか読んでる人とかたまに見かけます。私の最寄り駅は都内でも有数の地下深い地下鉄なので割といらっしゃいます。でもあれはお勧めしません。

 

なぜならいくら地下深いといっても数十秒。隙間時間はまず有効活用することよりも減らすことを優先すべき。減らせる隙間時間は減らしましょう。そして本を読むならアマゾンオーディブルにしましょう。通勤時間全てが読書の時間になります。

 

 

 

 

 

 

 

 

アシックスの株価を分析してみた

私はオニツカタイガーのスニーカーを愛用しています。オニツカタイガーは株式会社アシックスのアパレルブランドですね。

 

ということもあって生まれて初めて購入した株式はアシックスでした。特に株価を分析したり、市場を予測したりすることなく、好きだから、という理由でとりあえず数年前に買ってみました。株式投資を考えているけど何となく一歩踏み出せない、という人は好きなもの好きなブランドの株を手始めに買ってみる、というのはありかもしれません。

(もちろん損しないためにはちゃんと勉強したほうが良いですけどね)

 

ということで数年前に生まれて初めて購入した(株)アシックスの株ですが、購入後初めてまともに(爆)企業分析をしてみました。

 

 

 

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1. アシックスの企業概要

 

アシックスはシューズを中心としたスポーツメーカーです。加えてオニツカタイガー、アシックスタイガーという名のブランドでスニーカーやアパレルも展開しています。

特徴的なシューズのストライプはみなさんも見覚えあるかと思います。

ちなみにアシックスという企業名の由来は古代ローマ語での「健全なる精神は健全なる身体に宿る」という言葉にあるそうです。カッコいいですね。

 

リオ五輪に引き続き、東京オリンピックのオフィシャルスポンサー(スポーツメーカーとしては唯一)であり、代表選手のウェアも提供します。このスポンサー契約は推定150億円とも言われています。後述しますが2020年度の利益目標が150億円です。これが事実だとすると利益1年分を全額スポンサー投入しているというありえないような話になります。

また、エンゼルスの大谷選手はグローブからスパイクまでアシックス製を愛用しています。またイチローはグローブはミズノですが、スパイクはアシックスを使っています。ここにもシューズメーカーとしての品質の良さがうかがえますね。

 

カテゴリー別の売上は以下の通りです。やはりイメージ通りランニングシューズが売り上げの過半を占めていますね。

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また、海外売上比率が高いのが特徴的です。同じく日本の老舗スポーツブランドのミズノが国内比率70%なのに対し、アシックスは逆に売上の7割を海外で稼いでいます。

街中でも海外の方、特に中国人旅行客がオニツカタイガーを履いてたり大量の紙袋を持っているのをよく見かけますので、海外での認知度はかなり高いようです。

 

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2. アシックスの株価

株価は以下の推移です。2015年に3,800円の高値をつけましたが最近はその半値以下まで落ち込んでいますね。

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業績は以下の通り下降気味なので、これに合わせて株価も下がっています。

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(出典:アシックスHP)

 

3. 事業戦略

 苦戦している北米市場での若年層のランナー取り込みによる損益てこ入れと中国市場でのさらなく拡大が肝です。

特に中国は2012年の売上14億円が昨年289億円とすさまじい伸びです。どこまで伸ばせるかが勝負になるでしょうか。

 

 

4. 理論株価

アシックスが掲げる中期経営計画に沿った理論株価を出してみたいと思います。

【前提】

・2020年度の目標値である売上500億円、ROE10%を達成。

・現在の株主資本(ROEの分母であるE部分)は約2,000億円。2020年も同水準。

・PBRは1.56倍(Yahooファイナンスより)。これを維持する。

(厳密には2020年までに3年間あるので、この間にあげた利益は株主資本に上乗せされますが、今年度の業績が芳しくなさそうであること。株主還元50%を掲げていることから、利益の半分は株主還元に用いられることから、耐性に影響なしとしてここでは株主資本が一定と仮定します。)

 

以上より2020年の最終損益は2,000億円x10%=200億円となります。

 

ここからPBR= ROE x PERの公式を用いると、1.56倍=10% x PERより、PER=15.6倍となります。

PER= 時価総額 / 利益 なので、15.6倍 =  時価総額/ 200億円

よって時価総額=3,120億円。発行済み株式が約2億なので、3,120億÷2億=1,560円が2020年の理論株価になります。

 

ちなみに足元の株価は1,680円。

 

 

つまり2020年の株価は今より低くなる、ということになります。

じゃあなんで今の株価はこれより高いの?というと市場は上の計算式より何かが高まると期待しているわけですね。

 

今年度の利益予想は発表されていませんが、昨年より悪くなりそうな雰囲気です。中期経営計画で掲げた2020年の目標も今年度に下方修正したばかりですが、暗雲立ち込めているのではないかというのが私の見立てであり、2020年の売上500億円も怪しいのではないかとみています。今年の売り上げは400億円に届かない見込みですから、あと3年で毎年8%ずつ高めていく必要がありますし、昨今の業績不振からいくと決して簡単な数字ではありません。

 

 

などなど考えると今の株価は実態より高いということになります。私の見方が市場よりネガティブ、ということになります。

 

市場は東京オリンピックに向けて国民の盛り上がりなんかを考慮しているのかもしれませんね。

 

 

 

 以上アシックスの株価を分析してみました。

私は個人的に好きなブランドということもあり単元株だけ保有しております。今後も保有し続ける予定ですが、足元の業績と今後のリセッション入りの可能性の高さを考えるとしばらくは業績と株価も低迷が続く気がしています。

 

 

決裁って何で必要なの?という方のために

今日は社内の意思決定プロセスについてお話ししたいと思います。

多くの場合、会社では「決裁」という仕組みをもって会社の意思決定プロセスを管理しています。

 

けっ‐さい【決裁】

[名](スル)権限を持っている上位者が、部下の提出した案の可否を決めること。「決裁を仰ぐ」「書類を決裁する」

 出典:デジタル大辞泉

 

ちなみにお金の支払いを意味する「決済」とは違います。

 

会社で何かをするためには意思決定が必要です。それを「決裁」という仕組みで行うわけですね。

 

 

決裁は以下のような順序を以て行う例が多いです。私の勤め先や取引先は概ね以下のような手続きをとる会社がほとんどです。

 

⓪審査部門が決裁基準をルール化しており、これに基づき決裁基準が判断される

①担当者が決裁書(稟議書とか議案書とか言ったりします)を書く

②審査部門が内容を精査する

③⓪で判断された決裁者に決裁を仰ぐ

④決裁者がOKする→完了

 

この決裁という仕組みですが、決裁を取りたい人からすれば面倒です。営業部の人間からすれば苦労して顧客から案件を獲得してきたのになんでいちいち紙書いたり審査部門に見てもらわなあかんねん、って思いますよね。

 

じゃあなんで会社はこんな仕組みを作っているのかというと理由は2つあります。

 

1. 会社のガバナンスのため

ここをさらに掘り下げると2つありますが、もっと言うと不正禁止ですね。営業の社員が巨額の取引を勝手に行う。財務部の社員が勝手に会社の金で信用取引する。こんなことされると会社はあっという間に破産します。こうならないように決裁という仕組みで管理部門の目を入れて防ぐわけです。

 

2. 会社の意思決定の効率化

要は経営陣から下部の階層への権限移譲です。

一点目は不正を防ぐ、というマイナス面を回避するためのものでしたが、2点目は会社がよりよくなるためのものです。要は経営者には重要なことだけをさせて、そうでないことは下の人たちに権限移譲させよう、ということです。

会社の最高意思決定機関は(株式会社であれば)株主総会ですが、株主は取締役を選ぶことで取締役に日々の会社経営を委任しています。つまり日常的な経営の権限は取締役にあるわけです。

取締役は従業員を使って会社を経営するわけですが、会社の意思決定って無数にありますよね。大規模なM&Aもあれば、従業員が日常的に使う文房具の発注まで、金額や会社へのインパクトは全然違いますがこの2つは会社の意思決定という意味では同じ扱いになります。

じゃあ忙しい取締役がいちいち文房具選ぶ意思決定に関与してると会社としては非常に非効率です。ボールペンをジェットストリームにするかフリクションにするかを経営陣に決めさせることで会社がよりよくなるとは思えないですよね。

高い報酬を得ている経営者にはもっと会社の重要事項についての意思決定に注力してほしい。よって影響度の低い話は権限を委譲するわけです。

 

結果、重要性に応じて決裁者を決める、という仕組みができます。

例えば1百万円未満なら課長、10百万円までなら部長、1億円までなら執行役員、、以下で決めてくれ、といったようになります。

こうすることでえらい人たちはより重要な事項に専念し、あとは下の人たちに決めさせる、ことができます。会社の意思決定を効率化することができます。

 

 

 

会社によってこの権限移譲の水準はかなり違います。会社法では重要な事項(例えば多額の借財)は取締役会で決めなければならない、といったルールはあるのですが、それ以外の基準は各社が独自に決めることができるので、この権限移譲の仕方は業界や会社によってかなり色が出ます。

意思決定権限をどこまでどのように移譲するか、は会社の特色や文化を決める重要な要素だと思います。

営業部に権限移譲ができている会社は営業力が強くてガンガン営業を取りに行けますよね。一方でやりすぎが出るのが世の常。どこかで線引きをする必要があります。ただ保守的な線引きをすると、何をするにしても"お上"に仰がなければならない意思決定が遅い会社になります。

意思決定が遅いと優良な契約を取れるチャンスを逃してしまったり、裁量がないことで社内のモチベーションが下がったり、とマイナス面が出てきます。

 

こういったバランスを考えて、決裁基準を決める必要があります。(私も日々悩んでいます。)

 

なお、上の決裁プロセスに出てきた「審査」の役割についてはまた別の機会で述べたいと思います。

 

 

 

 

 

はじめに

東京在住30代前半のサラリーマンです。

 

とある日系事業会社のコーポレート部門にて、経営陣の意思決定をサポートするお仕事をしています。

具体的には、社内意思決定プロセスの整理・財務分析・投資判断・リスク評価といったことをしています。自称社内コンサルです。

 

これまでやってきたことや自分の経験、考え方を可視化してみたいなとふと思い、ブログを始めることにしました。

 

軸が定まるまでは気ままな雑記になると思いますが、どうぞよろしくお願いします。